賃貸の壁紙DIYは、「はがせる」と書かれた商品でも、壁を傷めずに元へ戻せるとは限りません。退去時の費用が気になって手が止まっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、国土交通省のガイドラインの考え方と、作業の前に確認しておきたいことを整理します。なお、実際の負担は契約内容や部屋の状態によって変わります。個別の判断が必要なときは、管理会社や消費生活センターに相談してください。
この記事でわかること
- 原状回復の基本的な考え方
- 契約書で確認しておきたいこと
- はがせる壁紙を使うときの注意点
- 壁を変えずに部屋の印象を変える方法
先に押さえたいポイント
- 1借主の不注意や通常を超える使い方による傷は、借主の負担になることがあります。
- 2「はがせる」と書かれた商品でも、壁紙の種類によっては跡が残ることがあります。
- 3契約書の特約によって扱いが変わるため、作業前に管理会社へ確認します。
賃貸の壁紙DIYと原状回復の基本
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復を、借主の故意・過失や、通常の使用を超える使い方によって生じた損耗を元に戻すことと整理しています。つまり、借りたときの状態にそっくり戻すこと、という意味ではありません。
経年劣化や通常の使用による傷みは、基本的に借主の負担とはされていません。この考え方は、2020年施行の改正民法でも明確にされています。
一方で、次のようなものは借主の負担になることがあります。
- 下地のボードまで交換が必要になるような釘穴やねじ穴
- 落書きや、不注意でつけた傷
- 手入れを怠ったことで広がった汚れ
ポスターなどを貼るための画鋲の小さな穴は、一般的には通常の使用の範囲とされています。ただし、あくまで一般的な整理であり、契約内容によって扱いが変わることがあります。

作業の前に契約書で確認すること
契約書に特約がある場合は、ガイドラインとは異なる扱いになることもあります。作業を始める前に、次の点を確認しましょう。
- 壁に手を加えることを禁止する条項がないか
- 原状回復や修繕の費用に関する特約がないか
- 入居時の壁の状態を写真で残しているか
迷ったときは、作業の前に管理会社や大家さんへ相談するのが確実です。やり取りは、後から確認できるようメールなどで残しておくと安心です。
はがせる壁紙を使うときの注意点
貼ってはがせる壁紙やシールは手軽ですが、もとの壁紙の素材や貼っていた期間、日当たりによって、はがすときに表面が破れたり、のりが残ったりすることがあります。
はがせるかどうかは、商品の説明にある対応素材も確認しましょう。壁紙の上に直接貼らず、マスキングテープや専用の下地シートを挟む方法を案内している商品もあります。下地シートや手順は、商品ごとの説明に従ってください。

壁を変えずに部屋の印象を変える方法
壁に何も貼らなくても、部屋の印象は変えられます。原状回復の心配が少なく、やめたいときにすぐ元に戻せる方法から試すのも一つの手です。
- カーテンの色を変える(測り方はカーテンのサイズの測り方へ)
- ラグで床の色の面積を変える(ラグのサイズの選び方)
- 明かりを足して壁に光を当てる(間接照明の選び方と置き方)
- 床に置く立てかけ式のミラーやパネルを使う(転倒に注意する)
- 突っ張り式の棚で、壁に穴を開けずに飾る場所をつくる
突っ張り式の家具は、天井の強度が足りないと倒れることがあります。説明書にある取り付け条件を守り、定期的に緩みがないか確かめてください。
色を決める前に全体で考える
壁の一面だけ色を変えるアクセントクロスは、部屋の奥行きを強調しやすい一方で、狭い部屋では圧迫感が出ることもあります。貼ってから「思っていたのと違う」となると、はがす手間もかかります。
貼る前に、部屋全体の色のバランスを見ておくと安心です。賃貸ならではの見せ方は、賃貸ワンルーム写真を広く見せる方法も参考になります。部屋づくり全体の考え方は、風水で部屋を整えるにはにまとめています。
よくある質問
Q.画鋲の穴は退去時に請求されますか?
A.一般的には、ポスターなどを貼るための小さな画鋲の穴は通常の使用の範囲と整理されています。ただし、特約や穴の状態によって変わることがあるため、契約書をご確認ください。
Q.「賃貸OK」と書かれた壁紙なら安心ですか?
A.必ずしも安心とはいえません。壁紙の素材や貼る期間によっては、跡が残ることがあります。目立たない場所で試し、管理会社にも確認すると安心です。
Q.トラブルになったらどこに相談できますか?
A.お住まいの地域の消費生活センターや、消費者ホットライン(188)で相談できます。契約書や入居時の写真を用意しておくと、話がスムーズです。
まとめ
- 原状回復は、借りたときの状態にそっくり戻すことではない。
- 故意や過失、通常を超える使い方による傷は借主負担になることがある。
- 特約で扱いが変わるため、契約書と管理会社で確認する。
- はがせる商品でも、目立たない場所で試してから使う。
- 壁に触らず、カーテンやラグ、照明で印象を変える方法もある。
壁に手を加える前に、完成イメージを見ておくと判断しやすくなります。今の部屋の写真から色や雰囲気の方向性をAIで確かめ、壁に触らない方法とも比べてみてください。



